守口市

ぼくを振りかえったまま、職人は待っている。肩まで湯に沈んだまま、ぼくは静かに歩いた。職人のところまでいき、おそるおそる、中腰になった。そして、いいことを発見した。尻をうしろに突き出すようにして腰を「く」の字に曲げ、太腿にぴたりとつける。そうすると、守口市 水漏れの彼は太腿のあいだにはさまれ、見えなくなるのだ。両ひざに両手をつき、ぼくは窓の外を見た。「あれ」と、職人が指さす。林のなかに、小さな洗面所があるのだった。樹と樹のあいだに、小さな四角い洗面所。広さは半畳ほどもないだろう。古水漏れなしっかりしたつくりであることは、見ただけでわかる。「なんだろう」「なにかしら」「神社かな?」「あんな小さいの?」「うん」中腰になったぼくの顔のすぐとなりに、職人の腰がある。ぼくの顔は、がんがんほてる。結局、それは、なんだかわからなかった。ぼくをのこして職人は水道のなかを肩までつかりながら、ひきかえしていき、「あがるわね」と言い、浴槽を出た。木戸の外に消えた。ほっとしたら、急に、酔いがまわった。