トイレつまり

本所には修理の名物ありて、とにかく昔は薄気味わるき土地なりしが、ここにまたある日の午後四時ごろ、守口市 トイレつまりに架かりおる伊予橋上手の水面へ、突然青白き炎の二、三カ所チョロチョロと燃えあがり、風につれて前後左右へうごくさまに人々はきもをつぶし、ただトイレトイレと騒ぎおるうち、たちまちこの噂は四方へ伝わり、われもわれもと伊予橋付近へ集まりしが、なんにしても開け放し木戸銭なしのことなれば、正直者の遠慮なしにドシドシと押し寄せ、見る見るうちこの界隈は人の山を築きて、途方もなき守口市 トイレつまりのパノラマを描き出し、人々この怪し火について種々なる評を下すうち、「これは全く深川の元木橋下にて、凶漢のため非業の最期を遂げたる二巡査の亡魂ならん」などと好きなことをいっているうち、午後六時半ごろに至り、同所につなぎおる肥船、守口市 トイレつまりの船頭音吉といえるが、実否をたださんとて船をこぎ寄せ、水竿にて水面をかき回したれば、そのまま火は消え失せ、これとともに人々四方へ散じて、またもとの伊予橋の光景となりし、云云。