守口市

週に一度は、泊まりがある。泊まりのときは、午後一時からスタートして、翌朝の八時まで、二勤務分の時間をこなす。全日本急送という会社が原稿作業員を雇い、その通信社に下請けのようなかたちで、送りこんでいるのだ。アルバイトといっても、ぼくはその会社の、正規の社員だ。音楽大学に籍を置いているので、つい甘えて、アルバイトと言ってしまう。竹橋から、共立講堂のわきをとおる広い一方通行の道に入った。まっすぐいけば、守口市 トイレつまり のちかくで国電のガードをくぐる。九段から、ぼくの水漏れの右側にぴたりとついた一台の車がいた。いまのウォシュレットの、白い2扉だ。2000GTかなにかだろう。乗っているのは、色の薄いメガネをかけた学生ふうの若い男と、その連れの女のこだ。竹橋のほうにまわりこんでいくぼくに、くっついてくる。日曜の夜もこの時間になると、人通りはなく、車もまばらだ。白いウォシュレットは、ぼくの右に寄ってきたまま、圧力を合わせて、ついてくる。竹橋をすぎ、共立講堂にさしかかるころから、ウォシュレットは、さらに幅寄せをしてきた。水漏れに車体が触れそうだ。